池袋暴走事故

2019年、高齢者の運転する車が暴走し、母子が亡くなった池袋暴走事故。その加害者(93)が収監先の刑務所で死亡した、と昨日新聞やテレビで報道されました。妻子を亡くした被害者遺族のMさんは新聞社にこうコメントしています。
「一生許せないかもしれないが、再発防止のため、加害者の後悔も託されたと思って社会に伝えていきたい」「人の命を故意なく奪い、家族に看取られることなく刑務所で亡くなり(加害者は)無念だったと思う」…<中日新聞11月26日朝刊より抜粋>

このようにコメントしたMさんには当事者ではない我々が想像もできないような葛藤があったはずです。でも、Mさんはそうコメントを出しました。加害者に対する想いがすごく伝わってきます。もし自分がMさんの立場だったら、こんなことを言えるのだろうかと考えてしまいます。

社会生活を送る中で故意や過失を問わず、他人を傷つけたり、傷つけられたりすることは絶対ない、、、なんてことは到底言えないものです。
この世のあらゆる事象は「縁」によって成り立っている。。。仏教はそう説きます。
条件が整えば、加害者にも被害者にもなり得るものなのです。

Mさんはこの悲しい事件に遭遇し、裁判や加害者との面談を通して「業(ごう)」という「縁」を直感したからこそ、このようなコメントを残すに至ったのではないでしょうか。勝手ながら私はそう感じています。

いいことも悪いことも、嬉しいことも悲しいことも、目に見えない「縁」で全てが繫がり、また成り立っています。

2024/11/27